ロケット花火

商店街のようなところを歩いていくとそこはなんとなく参道風。
遠くまで見とおせる大きな通りを横に左折してこんもりとした林の中へ入ると、
大きな樹がずらり。
見上げると空が遥か先にちょこっと見えるような感じで、樹が高い。
 
スラっとした太い幹を視線の高さで見ると直径1メートル以上の極太。
葉に覆われた幹を棒でポコポコつついてみる。
ビシッとした手応え。さらに棒を横に振ってバシバシと叩いてみると、
葉がゆれて、葉の間から迷彩色のような幹が見える。
ベージュやオリーブ、赤茶色の、砂漠仕様のカモフラージュのような幹。
なんかヘンなので空を見上げると白い閃光がパチパチしてる。
打ち上げ花火か、逆さにしたシャワーのように空に白くてまぶしいスジが
何本ものびては消えるのが見える。
青空をバックに真っ白い線香花火風....。


何これ?
ロケットみたい。
逆さのロケット?
 
どこからかシンドラや音楽が聴こえてくる。
左を向いてドラムの音が聴こえる方を見る。
ブースみたいなところで音源とミキサーをいじってる人に
近づいて、話しかけてみる。
 
あの大きな樹みたいなの、
逆さになったロケットじゃないの?
 
そうそう、あの噴射に合わせて
演奏してんの。機械、シンクロさせて。
 
あれ、焼夷弾の不発弾でしょ?
バカでかいけど。
 
そうそう、デカイからしばらくは使えるでしょ。
花火みたいで、お祭り騒ぎにはピッタリ。
楽しんでってよ。
 
なーるほどね。


ロケットは2本。
迷彩色の極太の幹を他の木々の間に潜ませて、
上空では閃光の花火を咲かせている。
 
参道から花火を見たいのか、
先に林を出て行った彼女を追いかけて、
自分も参道へ出る。
姿の無い彼女を捜して、
今来た道を戻る。

帰り道はこっちしかないから、
どこかで彼女に会うだろう。
迷子の予感を確かめながら、
いくしかない道を行く。
帰り道は、そこだけのハズだから。


....とゆー夢を見ましたよ。