3Mix

TVのニュースでやってました。
たった一回で終わる、虫歯の治療法が3Mix。
正確には「3Mix−MP法」かな。
3Mixというのは字のとおりで、3種類の薬を混ぜて虫歯に塗る治療法です。
 
3Mix−MP法だと歯医者ならではの、あのギーギーいうエアドリルで削るのは
エナメル質の部分だけ。つまり歯の外側の硬い部分ですね。
そこだけ削って、治療しやすいように形をととのえるもよう。
虫歯になっている、あの黒っぽい部分は、けっこうそのままでもOKみたいで、
そこがスゴイとこでしょ。3Mixの抗菌剤で殺菌するというこの治療法のならでは?
 
使う薬は次の3種類。

メトロニダゾール(抗菌剤)
ミノサイクリン(テトラサイクリン系抗生物質)
シプロフロキサシン(ニューキノロン抗生物質

保険はきかないようですが、ニュースにでてた患者さんは「3500円」でしたよん。
この3Mixにカビを殺す抗真菌剤を混ぜたもので4Mixというのもあるみたいです。
 
3種類の薬は、それぞれ強力?なものみたいでしかも有名?かも。
 メトロニダゾールは嫌気性細菌に良く効く抗菌剤。東南アジアとか熱帯地域を旅行する人にも必携とか。アメーバ性下痢だの感染症対策に効果抜群らしいです。
 ミノサイクリンは世界中で人気爆発?現在はインターネットでも購入が難かしいもよう。理由は炭疸菌に効くので生物テロ対策に購入した人がいっぱいいるとか。お医者さんでは普通の薬だと思いますが、蓄膿症やリウマチみたいな慢性化した炎症に効果があるという研究もあって隠れた人気かも。
 シプロフロキサシンは現在世界最強級?のニューキノロン抗生物質。副作用が少なく耐性菌も少ないもよう。ジャングルに探検に行く人なんかにご用達です。ニューキノロン系は日本の製薬会社の力作だとか。ウチもクラビットは持ってます。虫歯でアゴが腫れたときに一発で止まったもんね。助かった〜。 
この3種類の薬をスリスリ?した粉をクリーム状にして虫歯に塗るんですね。服用するときの100分の1の量とか。
 
 「3Mix−MP法」の講習会があって本もでていて数万人の歯医者さんが知っているようですが、実際に3Mixで治療してくれる歯医者さんは少ないようです。患者本位に考えればベストな治療法だと思いますが、保険が利かなかったり、いろいろ削ったり詰めたりインプラントにしたりして利益を得たい歯医者さんはいい顔をしないでしょう。事実3Mixを否定する歯医者さんは少なくないもよう。なんだかんだケチがついたりしてます。アメリカでは「ブラボー!」とか「ファンタスティック!」と評価された治療法ですが、日本でもまっとうに評価されてほしいですね。

 神経が侵されているレベルでも3Mixで治療しちゃう歯医者さんもいれば、象牙質が大きく侵されていれば3Mixじゃダメと判断している歯医者さんもいます。でも患者が自己責任を徹底していれば患者のオーダーどおり治療できるはずで、試しにでも神経が侵されてるレベルでも3Mixでトライする価値はあると思います。アメリカでは歯髄の活性化のためにQ10を飲むように指導したりしてるし、ちゃんと栄養を摂れば象牙質も再生します。人間の自己回復能力や機能をもっと活かすべきでしょう。化膿して激痛が走って顔が腫れるほどでも3Mixで治療した例はあるわけで、高額なインプラントや、なんでも削って詰めるような治療は歯医者の利益にはなっても、患者の立場からはいらないわけだから。100万円のインプラントにするか3500円で自分の歯と神経を守るか。それも患者が選択すればいいことだもんね。


抗菌薬の考え方、使い方〈ver.2〉

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