『綿矢りさのしくみ』-吉本さんのパートについて
ではでは、
まずSPIKEを発行している吉本さんについて....
● 吉本謙次さん
ケンジ? カネツグって読むと戦国武将みたいだなっとか思って手にとったのが『綿矢りさのしくみ』。
あらためて体裁って大事だねっと思いつつ、こーゆー体裁で気軽に読まれる本つーのは貴重だと思います。『終わりなき日常を生きろ』なんかもそんな感じで買ったし。(W
綿矢りささんと同世代だったり、基本的にシンパだったりするんでしょー。それは後半の資料編でも活きいて、全体的に自然でわかりやすい紹介になってます。基本的に紹介というものはこーでないとつまらないもんね。
ただ構成として第2の綿矢りさを探せてなコンセプトで個別のインタビューをそのまま並列してるのはもったいない。これはライターメインだとなりがちなパターンかも。
個別のインタビューから共通項目を抽出して項目毎にページを構成し、項目紹介の要素として個別のインタビューからワンポイントで言葉を引用した方が読みやすくなってよかったのにな、と思います。エディターメインだとこーですてな。
ズラッと並んだ第2の綿矢りさの写真にも一言ずつ紹介コピーを載せれば、可愛いい笑顔や素顔が活きたでしょ、っと。
それにしても
P9) すごく自負心はあるんだけど、 逆に自分に自信がないんだよね。 これって不思議。
とゆー第1章「同世代の文学少年・少女たち」での文学少年・少女に対する指摘はスルドイ(原文は「綿矢りさ原理主義宣言」から転載)。
P10) それから、 評論を読みすぎているんだと思う。
とゆー分析もアタリ。文学少年・少女にとって評論はコワイ?もんでしょ。とゆーか、自分たちが俯瞰されてしまうという意識を持っちゃって、“見てほしいけど、見張られるのはイヤ”みたいな“評価されたいけど、ジャッジされるのはゴメン”な感じ、でしょ。
現代思想のトライブ用語でいえばフーコーのパノプティコンがどのこのつーかな。そんな言説で説明されがちだけど、ちがうんじゃないかな、と。
その心性の根本にあるのは衰弱したからこそ自らを負債無しに全面肯定したいとゆー強度と誤認されやすいビョーキそのものかもしれないしね。
P11) だから、彼らは一足飛びに天才を目指す。
だけど、現実には、天才になるんじゃなくてヒキコやビョーキになる可能性も....とゆーのがボクの正直なギモンであり認識だったりもする。
とゆーことで、この本の中で面白くてタメになるのは吉本さんのパート。まさかばななさんの隠れ弟だったりするなよなあ、と。
個人的な見解をいっちゃうと
個人的な興味をいっちゃうと
で、サブカル論者って何か分析できたのかな、っと。
そのワケはカンタンで、サブカル論者をからかっているんじゃなくて、こーゆーことがちゃんと分析したり検討できれば、世の中のたいていのコトなんかカンタンじゃんとゆー認識力をゲットできるモンね、とゆーことかなあ。
おわり
- 作者: 小谷野敦,渡部直己,吉本謙次
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2004/08/26
- メディア: 単行本
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