人民株主方式!

 第二次世界大戦前、当時、三井と三菱の総資本がそれぞれ10億円。
 日産グループの総資本は30億円。ぬあんと三井や三菱の3倍とゆービッグな財閥さんなワケです。資本家から右翼左翼までが理想を描いて夢想した満州に、日産コンツェルンも大規模な投資をして....ドッカーン、てな運命?
 東大より有名だったかもしれない安田講堂安田財閥だって満州に運命をかけたわけで、財閥なのにマルクスの学者集めた大学作った大倉財閥とか、それぞれ銀行を作って財閥の中心に据えつけなかったもんで、なんか弱体化?しちゃった資本集団でもありますね。資本主義で資本そのものの事業である銀行業だの金融機関を設置しなかったところは成長できなかったんでしょー。

 日産コンツェルンといったら日本興業銀行。日銀が国家の銀行なら、興銀は大蔵省が企業を国家管理するための窓口となる銀行。ナチスライヒバンカ法を参考にした日銀とレーニンの戦時共産主義政策を参考にした銀行法。それらをまとめた統制三法が戦前の日本を動かしたし、つい最近までそのままだった法体系ですね。国家計画を立てるとファシズムに成りやすいけど、「自由」って45回叫んでもブッシュはブッシュだしなあ...。

 でも日産コンツェルンは偉いもんで。人民株主方式とかなんとかいわれたほどの自由資本主義集団を目指したもよう。理由は簡単で〝会社は株主のもの〟という発想の財閥だったんですね。これが実現し得る現実のポストモダンのシステムでもあるし。会社は社長のものだとか社長は偉いと思ってるのはズイブン日本的な発想で、それも封建的。企業の社員から左翼組織の運動員まで同じ気持ちならブキミだけど、ナゼか〝組織の長〟が偉いと思ってるのは?日本の常識なのかなあ。
 それを最初から否定した財閥が日産コンツェルン。だから日本産業グループの企業は日産自動車日立製作所日本興業銀行も社長がでしゃばらないという伝統?を守ってきたわけで、エライでしょー。パチパチ