アキバ分析の方法?

 好評だったらしいアキバ番組「美少女系・メード・同人・ゲーム、先端の人びとの内面」ですが、アキバやオタクを解くポイントがたくさんありました。
 
 「第9回ベネチア・ビエンナーレ建築展」の森川嘉一郎さんや斉藤環さんによる「OTAKUアート」とともに考えると、とても大切なポイントが3つ見つけられますよ! しかも、この3つのポイントは批評家やプロは語っていないと思います。<萌え>の重要なファクターでもあるけど、それに言及しているプロがほとんどいないみたいですね。オブジェクトをいくら微分してもシステムは発見できないのに....。


趣都の誕生 萌える都市アキハバラ

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 「オタク」や「アキバ」や「萌え」を解き明かす3つの重要ポイントは以下です。

   DD 誰でも、大好き
   ココに住みたい
   相似形

 メイド喫茶ファンがインタビューに答えた言葉が「DD」。「誰でも、大好き」の略なんだ。知らなかったあ。全面肯定の御信託。ウツクシイ言葉だと思います。
 「ココに住みたい」は、メイド喫茶に来て、感激して自分がメイドになっちゃった女の子の言葉。将来は弁護士さんらしいですが、それでもアキバに来ると力説。ココに住みたくなっちゃった彼女の気持ちは、実は誰でも持ってる共通認識。その原理を考察した人は吉本隆明さんだけですね。ちなみに原意識の「今、ココ」に引き寄せられた現在の「今、ココ」という意識はデジャブとして認識されます....。
 「相似形」ベネチア・ビエンナーレのギャラリーで秋葉原の街を作品化した斉藤環さんの指摘。「オタクの部屋と秋葉原の街はよく似てる」と説明。
 
 オタクの部屋と秋葉原の街が相似形であること、入れ子構造であることは、重大なポイントです。<個>と<公>が出会うところ、個人の心が共同体の精神や神と出会うところ....なんですね。
 たとえば、まるっこい景観の山にある丸い岩や丸い小山、とがった山にある尖った岩や小山、そういう全体像と個別具体的な像が相似形になるところに神が祭られたり社が作られるのは民俗学者柳田国男の発見みたいですね。この視点を援用して共同性へ致る観念のシフトを考えたのも吉本隆明さんだけですが。

ハイ・イメージ論3 (ちくま学芸文庫)

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 来年は吉本さんの批評理論のバージョンアップが流行ればGOOD....なんだけど、と思いますがあ。