『下流社会』で怒るの?

 この本を読んで怒る人が多い!?らしいとゆーのが『下流社会 新たな階層集団の出現』というベストセラー&ミリオンセラー本。大塚英志さんの本を読んで怒る人が多いらしいというのがサブカル界?とかいう世界らしいですが、どっか共通点があるんでしょーかあ?
....などと大きな疑問を抱きつつ、未帰還者の脳内コピペをひと〜つ....。

下流社会 新たな階層集団の出現』(三浦展光文社新書)

 あなたこの本を読んで怒ってるでしょ?
 どうして怒るの?
 ホントはそこが問題なんだよね!(W


下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

 何をやっても楽しかったバブルの時代。でも誰もがリッチだったワケじゃない。実をいうと、金持ちは今と同じでほんの少数? だけども気分が楽ちん、誰もがちょっと浮ついてて、元気があれば背伸びもしてた。おかげで「一億総中流」てな風にたいていの人が自分を中流、それも中の上くらいに思ってた。
 時代のバイブル『構造と力』ご登場以来約10年間、ほんとにみんながシアワセだった時代。もちろん「一億総白痴」というシビアな見解もあって、それもアリ。だってムキになるヤツなんていない〝ノリつつシラケ、シラケつつノル〟幸福な時代。平和ボケもOK!な感じだったもんね。
 
 でも当時だってビンボーはいましたよ。いくら女子大生がパパにクラウンを買ってもらってそのうちBMWに乗り換えるのが夢だって、キャンパスにはバイトだけで月日が過ぎていくビンボーはいました。仕送り50万円の友だちと風呂トイレ無しの下宿のヤローが仲良くバンドなんかやってたし。『なんとなく、クリスタル』もそういうあるバンドの物語りなんだから。まだアマチュアだった小室哲哉が4度音(CスケールならF音)を強調する演奏(この特徴をとらえたサブカル?世界最高峰の音楽分析批評が『楕円とガイコツ―「小室哲哉の自意識」×「坂本龍一の無意識」 』)をやっていて一部で熱狂的な支持を受けはじめてましたよ。
楕円とガイコツ

楕円とガイコツ

 
 『構造と力』がトンガった人向きなら、パンピー向きは『なんとなく、クリスタル』。
 カタカナばっかの思想書?に註釈ばっかのヤング風俗小説、共通点はそれぞれの世界のブランドが〝となりのオネエサン〟みたいに並んでるコト。並べるだけなら誰でもできるってなワケで大ヒット(ちょっと意味不明だが雰囲気でOK、時代の感性でつかめ!)。ついでに〝並べる〟ことが趣味らしいオタクの顕在化もこの頃。宝島系をはじめサブカルシーンで〝オタク〟という言葉がちらほらし始めてた。アメリカのモノマネだった宝島のマニュアル系に対して純然たるカタログ雑誌も登場。より大衆的な消費トレンドをそのまま反映したアメリカの日常がズラリと並べられた〝ポパイ〟や〝ホットドッグプレス〟などのカタログ雑誌。なんとニューアカ用語やポスモダ解説はそこでも数度にわたって特集されたのだ! マイアミバイスだってポスモダ刑事ドラマってなワケ!
 
 そんな金持ちと貧乏人を社会風俗から分析したのが社会考現学といわれた『金魂巻』。
流行語にもなった〝○金○ビ〟の本ですね。そこに描かれてる〝○ビ=ビンボー〟を笑いながら、「自分はちょっと上」とかって、つかの間の自己暗示をかけつつ時代を駆け抜けたのでっす。当時から国民の所得なんて世界で20位以下だったくせに。(W
 もちろんGDPは世界2位。うんで、世界の企業の時価総額スト20位の半数以上も日本企業。しっかし、庶民はマジックマッシュルーム並のチープな幻想と自己暗示にかかっいただけでした....とか?
 
 幻想から覚めてから怒るってゆーのはわかるけど、「幻想じゃねーぞ」「本当にビンボーなんだぞ」とかいわれて怒るのはいかがなものかと....。少しは考えた方がいい気がしま....