データベースな大塚さん

 けっこう大塚さんのファン?なので、宮台さんがメディアに登場する以前からの大塚さんの本も持っていて、いままでに気になったのはボードリヤールに関する理解がチョット?なところだけで、あとは、大塚さんのスタンスからすれば当然だと思う分析と批評だと思います。
 いちばん印象的なのは「ライバルは浅田彰」という文句。すごいですよね、この啖呵つーか、決めゼリフでもないけど。なんだか迫力?があります。浅田さんからも浅田さんを批判する香山リカさんからも信頼されてることが納得できるし、かつて戦後最大の思想家といわれた吉本隆明さんとも仲がよくって、東浩紀さんからも信頼?がある大塚さん。
 豊富なサンプルと読んでいて面白いエピソードがいっぱいつまった大塚さんの批評や論文?は、時代考証の重要な参考になるような気がするほどの出来具合です。『「おたく」の精神史 一九八〇年代論』などは文化や思想が商品になることが超高度資本主義に突入した日本で証明され、そこでサブカルが充実していく過程を、大塚さんが直接関係した範囲でリアルに記録されています。バブル期のリアルタイムな記録であるとともに、文化を商品にしていった当事者の回顧録?でもある、貴重な資料でしょう。このサイドストーリーが多い大塚さんの著作をイロイロなことが書いてあって散漫というのはゼイタクな批判? それは読者の方がイロイロなことをトータルに認識できないだけだったりするかもしれません。
 というコトで『物語消滅論―キャラクター化する「私」、イデオロギー化する「物語」』について、いろいろとカキコです。いろんなモノを参考にするほど面白いと思います。


参考モノゴト随時追加....
『「おたく」の精神史 一九八〇年代論』
タイトルどおり参考になります。→id:TRiCKFiSHさんの「90年代を再考したいときの100冊」